本千葉の「ハイジ」→御徒町の「丘」をハシゴした後は、今回の喫茶旅のメインでもある「世田谷邪宗門」を目指した。
「47都道府県の純喫茶」の「おわりに」(あとがき)は世田谷邪宗門で書かれている。
「47都道府県の純喫茶」のゆかりの地「世田谷邪宗門」へ
2023年1月現在全国各地に5店舗(荻窪、世田谷、下田、石打、高岡)ある邪宗門。
そのうち私が行ったことがあるのは、高岡と石打のみ。
行きにくい場所を先に攻め、行きやすい東京(荻窪と世田谷)を後回しにしていた。まさかこんなに時間が空いてしまうとは……。
まずは作家の森茉莉が常連だった「世田谷邪宗門」へ。
臨時休業を覚悟していたけど「やってるよ」と営業中の札がかかっていた。
ウキウキで扉を開けると先客はなし。
迎えてくれたのはママさんと息子さん。門主の作道明さんは入院中でお会いできなかったが、また来る楽しみができた。
息子さんは下田でゲストハウスを経営しているが、オフシーズンなので手伝いをしているらしい。下田の邪宗門に行く際は、息子さんのゲストハウスに泊まりたい。
森茉莉が座っていた窓際の席で、茉莉ティーと呼ばれている森茉莉がいつも注文した紅茶を森茉莉専用のカップでいただく。
現在は森茉莉よりもアニメ『境界の彼方』の聖地として来る人が多いらしい。
「47都道府県の純喫茶」の取材時は森茉莉の指定席に座ったと思うが、あとがきはどの席で書いたんだろうか。
息子さんに遼さんのことを聞いたが、「あとがきが世田谷邪宗門で書かれたことは後日知った」と返ってきた。
森茉莉の席の上に飾られた「夢をみることが私の人生」と書かれたサイン色紙を眺める。
山之内遼さんがそばにいる気配がした。
「気持ちは、遠く離れた距離も時間も超えることがある。」という言葉をブログに残した遼さん。
「喫茶店の旅」を続ける中で、折りに触れて思いだす言葉だ。
2013年秋、遼さんが亡くなって10年になる。
世田谷邪宗門・店舗情報
【最寄駅】小田急線下北沢駅より徒歩15分
【住所】東京都世田谷区代田1丁目31-1
【営業時間】9時~17時、土日:9時〜18時頃
【定休日】水木
【公式サイト】http://jashumon-setagaya.la.coocan.jp/
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