6月末、9年ぶりに徳島の地を踏んだ。
山之内遼さんの「47都道府県の純喫茶」を読んで訪れたはじめての京阪神以外の県が徳島なのだけど、最初に訪れた「純喫茶ブラジリア」で衝撃的な事実を知らされ、もうひとつの掲載店である「いかりや珈琲店」には行けなかった。
また徳島に来るには9年もの歳月が必要だった。
徳島県最古参の自家焙煎喫茶店 いかりや珈琲店
徳島中央郵便局の裏側に店を構える
店頭では自家焙煎豆を販売している。奥が喫茶室
「港に船がイカリを下ろすようにこの場所で腰を据えて商売しよう」と名付けられたいかりや珈琲店の歴史は昭和30（1955）年にまでさかのぼる。
創業者の馬場芳子さんは神戸の上島珈琲で修行したのち、自宅を改装して喫茶店をオープン。開店当初から自家焙煎を行ってきた。
カウンターは「隣に座った人と自然に会話できるように」という思いからS字を描いている
創業者の馬場芳子さん、娘で二代目の馬場智恵子さんに続いて三代目店主になったのは孫の馬場淳さん。現在は二代目の智恵子さんと力を合わせて切り盛りしている。
親子三代で繋いできたいかりや珈琲店の物語は「47都道府県の純喫茶」に記録されているので、未読の人はぜひ読んでほしい。
テーブル席の隣は中庭。窓から自然風が吹き抜ける
壁と床を彩るイタリアンタイル
店舗は細長く、奥にも客席がある
本棚の目立つ場所に置かれた「47都道府県の純喫茶」
二代目の智恵子さんに山之内さんのことを尋ねたら、「もともと山之内さんのお祖母様がうちに来たことがあるらしくて、『徳島に行くならいかりや珈琲店を取材しなさい』と言われて3回も来てくれたの」と返ってきた。
三代目の淳さんも「山之内さんのことは忘れられないよ」と取材時を回想していた。
「懐かしい話ができて良かった」と笑顔で話す智恵子さんに見送られて店を後にした。
人気のコーヒーゼリー
阿波踊り期間中は2000個売れるコーヒーゼリー（600円）は看板メニュー。
苦味のあるコーヒーゼリーにバニラアイスが山盛り。甘いシロップはお好みで足してとのことだが、アイスだけで十分甘い。
いかりや珈琲店・店舗情報
【最寄駅】JR徳島駅より徒歩約7分
【住所】徳島県徳島市通町1丁目1-12
【営業時間】8時～18時半
【定休日】日祝（土曜は17時まで）
【公式インスタグラム】https://www.instagram.com/ikariyacoffee/
はじめてのZINE（同人誌）「喫茶店の人」の通販をSTORESで開始しました。
物販での売上は純喫茶保存協会の活動資金とブログの運営資金に使用します。
サイト存続のため、ご協力をお願いいたします。
