後継者不足、消費税率の引き上げ、さらには新型コロナの影響でどんどん閉店していく町の喫茶店。
今回は息子さんに代替わりして日曜(たまに土曜も)のみ開店する、京都市下京区の「珈琲の店 雲仙」を、写真満載でご案内します。
現存する京都市内の喫茶店のなかで、5番目に歴史の古い珈琲の店 雲仙
烏丸、河原町など京都府有数の繁華街を有する下京区。
京都市指定有形文化財の町家「杉本家住宅」や祇園祭の山鉾「伯牙山」の目と鼻の先にあるのが、今回ご案内する「珈琲の店 雲仙」です。
珈琲の店 雲仙の創業は昭和10年(1935年)。2021年10月で創業86年目に入りました。
昭和5年創業の進々堂 京大北門前、昭和7年創業のスマート珈琲店、昭和9年創業の築地とフワンソア喫茶室に次いで、京都市内に現存する喫茶店としては5番目に古い店です。
珈琲の店 雲仙と西陣の喫茶静香とのつながり
京都の喫茶店といえば昭和13年創業の西陣「静香」も有名ですが、喫茶静香の先先代は静香開業にあたり、雲仙の先代にコーヒーの焙煎を学んだそう。
河原町三条の有名店「六曜社」の先代オーナーも、静香の先代に焙煎技術を教わったと聞きます。京都の喫茶店のルーツともいえる店同士にそんなつながりがあるなんて、面白いですね。
珈琲の店 雲仙の店内をご案内
私が珈琲の店 雲仙をはじめて訪れたのは、2014年9月。
雲仙までの地図を片手に息を弾ませながら到着したものの、なんとその日は臨時休業日……。
店の前でママさんらしき人が植木鉢に水やりをしていたので「店内を見せてもらえませんか」と図々しいお願いをしたら、快く店内を案内してくださいました。
存分に見学させてもらった2週間後にふたたび雲仙を再訪し、ゆっくりとモーニングを味わいました。
気軽に来れる距離で良かった……。
南極物語のロケ地として登場
南極物語のロケ地に使われたときの写真や、夏目雅子さんのポートレイトが店内に飾られています。
渡瀬恒彦さん、夏目雅子さん、岸田森さん……今となってはすべて故人。
岸田森さんの遺作は南極物語
ちなみに蝶の標本は岸田さんの私物でした…ロケ地:珈琲の店 雲仙 pic.twitter.com/A24xL0bDcg
— たかぎとしのり / 珈琲の店 雲仙 丁稚 (@6XsPu5Ja7WMokOg) April 23, 2019
喫茶店のマスター役の岸田森さんは南極物語が遺作となりました。
▼主演の高倉健さんゆかりの喫茶店はこちら
珈琲の店 雲仙は日曜のみ営業
現在は療養中のママさんから息子の利典さんにバトンタッチして、土日のみ(ときどき祝日も)営業しています。
マッチはすでに品切れ。代わりに活版印刷のコースターをお土産にいただきました。
地域の日常の場がこれからも続いていきますように。
珈琲の店 雲仙のおすすめメニュー
ホットケーキ
ホットケーキに刻印された“Thank you for your kindness”は、雲仙の古いレジに書かれている言葉です。
二段重ねのホットケーキはボリュームがあるので、2人で分けたらちょうどいいかも。
添えられたメープルシロップは程よい甘さで、たっぷりかけてもホットケーキの風味を邪魔しません。
クリームソーダ
メニュー
コーヒ ¥500
コールコーヒ(夏季のみ)¥550
ミルクコーヒ ¥500
アイスミルクコーヒ(夏季のみ)¥550
紅茶 ¥500
ミルク ¥500
アイスティー ¥600
ココア ¥600
バタートースト ¥300
ジャムトースト ¥300
たまごトースト ¥650
ピザトースト ¥700
たまごサンド ¥700
ミックスサンド ¥750
ホットケーキ ¥700
フルーツジュース ¥650
クリームコーヒ ¥650(夏季のみ)
クリームソーダ ¥650
ソーダ水 ¥500
エッグベーカーセット(エッグベーカー・トースト・コーヒ) ¥750
ピラフセット(ピラフ・サラダ・コーヒ) ¥1,000
カレーセット(カレー・サラダ・コーヒ) ¥1,000
モーニングセット(7時〜11時)
コーヒ・トースト (バター・ジャム・マーマレード) ゆでたまご付き ¥600
珈琲の店 雲仙・店舗情報
【最寄駅】阪急烏丸駅・地下鉄四条駅より徒歩約10分
【住所】京都市下京区綾西洞院町724
【営業時間】7時〜17時
【営業日】日のみ(ときどき土曜・祝日も営業)
【公式Twitter】https://twitter.com/6XsPu5Ja7WMokOg
※喫煙可
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