5月15日は日本を代表する建築家・村野藤吾先生(以下敬称略)の誕生日。
兵庫県宝塚市に40年以上住んでいたことがご縁なのか、宝塚には村野藤吾建築が3つ(宝塚ゴルフ倶楽部クラブハウス、カトリック宝塚教会、宝塚市役所)残っています。
今回はそのうちの2つ、宝塚市役所とカトリック宝塚教会を写真満載でご案内します。
村野藤吾最晩年の設計・宝塚市庁舎
村野藤吾は昭和15(1940)年に宝塚に移住。
昭和59(1984)年に93歳で亡くなるまで、40年以上も宝塚に住んでいました。
その関係で宝塚市庁舎の設計を依頼された村野藤吾。
まずは最晩年の1980年竣工、宝塚市庁舎に向かいます。
武庫川にかかる宝塚新大橋の上から、落ち着いたベージュの建物が見えてきました。
「建物を使う人やその前を通る民衆の視線を意識した親しみやすいデザイン」が村野建築の魅力。
他の村野建築とくらべたらシンプルすぎるかもしれませんが、モダンで素敵な市役所だと思います。
ぜひとも間近で見てみたかったのが、落とし穴のような階段。
この階段の写真を撮りに行ったといっても過言でないほど、ねちっこく写真を撮っていました。
同じく村野建築の「関西大学博物館」(ブログ未紹介)も階段を撮りに行ったようなもの。
手すりのカーブ具合や階段裏のチラ見がセクシーで、鼻血が出そうでした。写真で見てもやっぱりいいなぁ。
宝塚市庁舎・施設情報
【最寄り駅】阪急逆瀬川駅前(東口)より徒歩15分
【住所】兵庫県宝塚市東洋町1番1号
【営業時間】9時〜17時半
【休み】土日
白鯨をイメージした聖堂・カトリック宝塚教会
続いては昭和40(1965)年竣工の「カトリック宝塚教会」へ見学に向かいます。
阪急今津線「宝塚南口駅」のホームから見える尖塔。
三角屋根の頂点に十字架があるので教会だということはわかると思いますが、ホームからみると平べったくて中がどうなっているのか気になります。
実はカトリック宝塚教会は、信者ではない一般の方でも見学可能。私は宗教・宗派にこだわらず祈りの場が好きなので、見学させてもらいました。
正面玄関から見た形、裏門から見た形、見る位置によって違った印象を受ける聖堂は岸辺に打ち寄せられた白鯨をイメージしているそうです。
鯨の口のような扉を抜けると、その先には鯨の胎内にいるかのような空間が広がっていました。
阪急電車が通ると聖堂内にガタゴトと電車の音が響き渡ります。
赤い絨毯と規則正く並ぶ椅子たち。
祭壇の横の窓から差し込む光がなんとも言えない雰囲気を添えています。
場違いじゃないのか不安に思っていたところ、祭壇に飾られた花から甘い香りが立ち込めてきて、だんだん心が静まってきました。
十字架の前で静かに祈りを捧げると、聖堂と一体になるような安らかな感覚が私に訪れました。
カトリック宝塚教会・施設情報
【最寄り駅】阪急宝塚南口駅より徒歩7分
【住所】兵庫県宝塚市南口1丁目7番7号
【見学受付時間】9時〜16時半 ※聖堂見学は受付時間内に事務所まで(土・日・ミサ中は除く)
【休み】国民の祝日・年末年始・夏休み(年毎に若干異なります)
【公式HP】http://www.takarazuka.org
【百合珈琲店】宝塚・小林の老舗珈琲店でフレンチトーストモーニング
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