関西を中心に喫茶店巡りをしているコトリス(@Kotori_fresh)です。
関西の喫茶店を多く取り上げていく「喫茶のすたるじあ」ですが、たまに遠方の喫茶店を紹介することも。
一軒の喫茶店のために遠方へ足を運んだのは徳島県が最初。
今日は徳島で出会った喫茶店の忘れられない思い出話を書きます。
徳島駅すぐ。四国純喫茶めぐりのスタートはブラジリア
山之内遼さんの本「47都道府県の純喫茶 愛すべき110軒の記録と記憶」には、心惹かれる喫茶店ばかり紹介されてますが、どうしても訪問したいと切に思ったのが徳島駅から程近い「純喫茶ブラジリア」という喫茶店でした。
阿波の藍染めは「JAPAN BLUE」と呼ばれる深く鮮やかな藍色。
「阿波藍を連想させる青い床」と書かれた純喫茶ブラジリアの床をぜひ一度生で見てみたかった。
本の中ではモノクロページに載っていたので、余計に行かなければと気持ちが高まりました。
2014年の6月。
徳島へ向かい、はやる気持ちから開店時間すぐに純喫茶ブラジリアを訪問しました。
純喫茶ブラジリアの店内
恋い焦がれた青い床は思った通りの抜群のムードを醸し出していました。
想像よりもずっと深い青で感激。
飲食店に青を使うのはNGだと聞いたことがあるけど、ゆっくりできる喫茶店ならありだと思います。
ところどころがツギハギで色合いが違うのは、息子さんが倉庫にあった絨毯の在庫を上に張ったからだとママの吉岡敏子さんが教えてくれました。
広く見せる効果もある青い床のおかげで奥行きを感じます。
山之内遼さんの訃報を告げられる
ママに「『47都道府県の純喫茶』を読んで、いてもたってもいられず大阪から来ました」と伝えると、衝撃の返答が。
著者の山之内さんは本が出版されて間もなく不慮の事故で亡くなった……と。
山之内さんのお母様からママに直接電話があり、訃報を聞いたそう。
4000軒を超える喫茶店に足を運び、20代の若さで本を書き上げた人が……。
お会いする機会があったら「純喫茶ブラジリアに行きましたよ」と報告して本にサインをもらうのを楽しみにしていたのに。
山之内さんの写真を見せてもらいながら取材時のこぼれ話を聞いたけど、心が波打って記憶にありません。
徳島の喫茶店としてもう一軒紹介されていた「いかりや珈琲店」にも行こうと思っていたのに、亡くなったことを受け入れられず訪問しないまま徳島を後にしました。(※2023年にようやく訪問できた)
他の喫茶店には寄りましたが、いかりや珈琲店でも同じ話を聞くのが怖かったんです。
山之内さんは純喫茶保存協会会長として、はてなダイアリーに活動報告を書かれていました。
亡くなる直前の2013年11月で更新は止まっているけど、また更新されるんじゃないかとたまに目を通しています。
2023年6月、再訪
2023年6月、9年ぶりにブラジリアを再訪。簡単ではありますが、ママに聞いた話をnoteに記録しています。
純喫茶ブラジリア・店舗情報(閉店)
【最寄駅】JR徳島駅より徒歩5分
【住所】徳島市寺島本町西2丁目31-1
【営業時間】9時~17時
【定休日】日・祝
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