近畿二府四県、最後に紹介するのは奈良県の喫茶店です。
近畿に三重県を含めるか否かという問題がありますが、私は二府四県と習ったので三重は含めません。
以前ある雑誌の中で奈良で一番古い喫茶店は奈良市内の「かふぇたまき」だと紹介されていたんですが、この情報は間違い。
奈良市内最古の喫茶店は昭和31年に置屋から鞍替えした「かふぇたまき」で間違いないけど、奈良県内で一番歴史が長いのは(私が知り限りでは)大和高田市にある「グランプリ」という喫茶店です。
昭和30年創業なので「かふぇたまき」より1年早く、お酒も出す「かふぇたまき」と違い、“純喫茶然”とした店です。
山之内遼著「47都道府県の純喫茶」奈良代表の「グランプリ」
奈良県中西部に位置する大和高田市の「グランプリ」をはじめて訪れたのは2014年11月。
「47都道府県の純喫茶」で紹介されていたから来店したのだけど、マスターは本が完成したことを知りませんでした。
2013年秋に本が出版されて間もなく、著者である山之内遼さんが亡くなったことを知らせると、「あんなええ子が亡くなるなんて」と奥様と涙を浮かべていました。
山之内さんは何度も来店したことがあるそうで、しばらく来なくても忙しいんだろうなくらいに思っていたとか……。
思い出話を聞いて胸が詰まりました。
訪問後マスターの息子さんから丁寧なお礼状をいただいたため、毎年11月に「グランプリ」詣でをしています。
私は兵庫県と隣接する池田市に住んでいるんですが、池田から来たと言うと「いしだあゆみさんの町やな」と返ってきて、その後大阪万博の話になるのが毎回の流れ。(笑)
グランプリの内装にはマスターのこだわりが
天井のライトやカーブなど造り手のこだわりが見えるマスター自慢の内装は、大阪の設計事務所によるもの。創業当時は壁が真っ赤だったとか。
「また来ますね」と祈るような気持ちで店を後にすることを繰り返し、すでに4年。
マスターご夫妻は高齢のため店を閉めていることも多いそうですが、営業されている限り行こうと思っています。
グランプリ・店舗情報
【最寄駅】近鉄大和高田駅・JR高田駅より徒歩10分
【住所】奈良県大和高田市本郷町6-27
【営業時間】8時半~16時
【定休日】不定休
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