縁もゆかりもない県で、私が一番訪れているのは島根県。
ただし訪れるのは松江・出雲など東部エリアばかりで、大田市温泉津より西には行ったことがありません。
愛読している山之内遼さんの「47都道府県の純喫茶」に島根代表として掲載されているのは、島根県浜田市にある日東紅茶ティーパーラー。
「一軒の喫茶店に行くための旅もいいかもしれない」という紹介文に後押しされて、6年ぶりに島根県を訪れました。
当記事では浜田駅前にある日東紅茶ティーパーラーを写真満載で紹介しています。
日東紅茶ティーパーラーのある島根県浜田市とは
島根県西部の中核都市・浜田市。
古代石見国の時代から政治・経済の中枢を担っており、近年は山陰有数の港町・水産都市として栄えてきました。
浜田といえば、夜神楽が有名。
「神楽」は中国地方で盛んな郷土芸能・伝統芸能ですが、特に浜田は市内だけで50もの神楽団体が活動する神楽熱の高い地域です。
浜田駅を降りると目の前にあるのが、商店街「どんちっちタウン」。
“どんちっち”とは神楽のお囃子のこと。
祇園祭の“コンコンチキチン”と同じように、浜田の人は幼い頃から“どんちっち”というお囃子を聞いて育ちます。
「どんちっちタウン」の入り口にあるのが、今回の目的地・日東紅茶ティーパーラーです。
47都道府県の純喫茶・島根代表「日東紅茶ティーパーラー」
長居したくなる、レトロな空間
身を縮めて日東紅茶ティーパーラーに向かいます。
深呼吸して扉を開けると、“どんちっち”という石見神楽のお囃子が店内でも鳴っていました。
アンバランスなようで、このレトロ空間と不思議と馴染んでいます。
床の模様や、背もたれと腰掛けをつなぐ首が細いレトロチェアに釘付け。
壁には廃止された三江線の写真が飾られていました。
迎えてくれたママに「47都道府県の純喫茶」の話をすると、「山之内さん、事故で亡くなったそうだね」と事情をご存知の様子。
記事に載っていたマスターは数年前に亡くなり、今はママが一人で日東紅茶ティーパーラーを切り盛りされているそうです。
訪れたお客さんが書くノートを開くと、私と同じように「47都道府県の純喫茶を読んで来ました」というメッセージがいくつも残っていて胸が熱くなりました。
浜田駅前にあるので、時間つぶしにもよく利用されている
眺めのいい2階席には、漫画喫茶のように漫画が多く並んでいます。
高速バスや電車に乗るまでの時間つぶしとして根強い人気があるようです。
天然コケッコーに登場し、くらもちふさこ先生も来店
聞いて驚いたのは、くらもちふさこの漫画「天然コケッコー」に日東紅茶ティーパーラーがモデルの喫茶店が登場しているという話。
コミックを見せてもらうと、確かに日東紅茶ティーパーラーの外観そっくりの喫茶店が出てきます。
くらもち先生自身も日東紅茶ティーパーラーに来店されたことがあり、天然コケッコーファンが聖地巡礼でやって来ることがあるそうです。
Amazonプライムビデオで映画版の「天然コケッコー」も見たんですが、浜田駅前が劇中に登場していました。
日東紅茶ティーパーラーのおすすめメニュー
ママのおすすめは鉄板に乗ったミートスパゲッティですが、今回は島根米に惹かれておにぎりを選びました。
セットの味噌汁を飲むとじんわり温まります。
オレンジの空間で無性に飲みたくなったのが、クリームソーダ。
なかなか来ることができないからと言い訳して、せっかく温まったのに注文。
「海が綺麗だから次は夏に来るといいよ」というママの言葉に見送られ、浜田を後にしました。
日東紅茶ティーパーラー・店舗情報
【最寄駅】JR浜田駅すぐ
【住所】島根県浜田市浅井町1565
【営業時間】8時~17時
【定休日】不定休
【モーニング】Aセット(トーストと卵)480円/Bセット(トーストとハムエッグとサラダ)590円
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