当記事では豊岡駅前の散策の様子と、山陰地方最古の喫茶店「ヒグラシ珈琲」をご紹介しています。
レトロな建築群が続く豊岡駅前を散策
城崎温泉にたどり着く前に豊岡駅で途中下車しました。
「豊岡ってどこ?」とおっしゃる方も多いでしょう。
兵庫県は広大ですから、阪神間など同じ兵庫県内に住んでいても豊岡のある但馬地方には訪れたことがない方がいるはず。
兵庫県の北部、日本海側に面しているのが豊岡市。
京都丹後鉄道で若狭湾に面する京都府宮津市と結ばれているので、神戸よりも天橋立や舞鶴の方が断然近いです。
カニと温泉を満喫できる城崎があるのも豊岡市内。
豊岡は鳥取と京都をつなぐ但馬地方の経済の中心地として発展してきました。
天然記念物のコウノトリの野生復帰活動を行っているので消火栓マンホールもコウノトリ柄。
豊岡駅の駅舎もコウノトリが羽根を広げたイメージでデザインされています。
豊岡駅前のヒグラシ珈琲 駅通本店に到着。しかし……
豊岡での目当ては駅通商店街北側にある昭和5年(1930年)創業の蜩(ヒグラシ)珈琲。
京都に現存する最古の喫茶店は昭和5年創業の「進々堂」ですが、ヒグラシ珈琲は進々堂と肩を並べています。
数年前に豊岡に来た際に振られてしまったので、今度こそはとリベンジのつもりで再び向かったのですが、12時過ぎに到着したらコーヒールームの営業が終わっていました……。
店員さんに店内の写真だけ撮らせてほしいと頼んだら30分後に店を開けてくれるとのこと!!
感激のあまり泣きそうになりました。
駅前の大開通りは昭和初期に建てられた復興建築群*1が残っているので、散策しながらヒグラシ珈琲のオープンを待ちました。
豊岡1925を見学
ヒグラシ珈琲のそばにあるのが、国の登録有形文化財である元銀行をリノベーションしたレストラン兼スイーツショップの「豊岡1925」。
「オーベルジュ豊岡1925」という客室が全5部屋のホテル施設も兼ねています。
一度宿泊したいんですが、今回は節約旅行だったため断念しました。
山陰地方最古のヒグラシ珈琲は創業93年の歴史
30分後に念願のヒグラシ珈琲に入店。
当店が産声を上げたのは昭和5年、戦前の大恐慌の最中でした。当時まだ非日常のものだったコーヒーを、兵庫県北部、山陰地方と呼ばれる陸の孤島で広めようと開店しました。 兵庫県といえば神戸港という海外との貿易が盛んな港があり、文化の交流も盛んだったのではないかと思われる方も多いと思います。しかし、ここ豊岡は今現在でも高速道路がなく、新幹線も通らず、なんと京都・大阪・神戸のどの大都市とも片道3時間近くかかるのです。当時はおそらくもっと交通の便も悪く、情報の交換もなかったでしょう。 そんなこの地で初代店主はコーヒー店を開業したのです。夏の終わりの事でした。カナカナカナ・・・とヒグラシが鳴いていたころ開店したという風に伝えられています。
コーヒールームは何度か改装しているそうですが、昔の値段表や雑誌広告など歴史を感じられるアイテムが往時の雰囲気を伝えています。
コーヒーは薪火焙煎機(釜に薪の火をくべて煎り上げる)を使った「薪火ブレンド」など、10種類以上の豆から淹れてもらえます。
紅茶もありますが、ジュース類はありません。
コク深く、香り高い看板ブレンドコーヒー「ヒグラシブレンド」とシフォンケーキのセットをいただきました。
極上の余韻が残る味わいにただただうっとり。
12時までのお得なモーニングセット(500円)もありましたよ。
HPからコーヒー豆の取り寄せができますので、 ご興味のある方はぜひ。
京都のカフェ文化を築いた名店として進々堂がもてはやされるのと同じくらい、ヒグラシ珈琲もカフェの原点として語り継がれてほしいな。
ヒグラシ珈琲 駅通本店・店舗情報
【最寄駅】JR豊岡駅より徒歩10分 ※戸牧店もあります。
【住所】兵庫県豊岡市千代田町1-5
【営業時間】10時~17時(ショップは18時まで)
【定休日】火
▲ヒグラシ珈琲のほか、但馬エリアの店が6軒載っています
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