NHK連続テレビ小説第99作目の「まんぷく」の再放送がNHK BSプレミアムがはじまりました。
当記事では安藤サクラが演じる主人公の福子が勤める「大阪東洋ホテル」のロケ地として使われた「旧甲子園ホテル」(現武庫川女子大学 甲子園会館)をご紹介しています。
大阪東洋ホテルの外観ロケ地は武庫川女子大学甲子園会館
フロントやロビーなどは明治村「帝国ホテル中央玄関」で撮影されていますが、外観や商工会定例会のロケ地は旧甲子園ホテルです。
西の迎賓館と謳われた旧甲子園ホテル(武庫川女子大学甲子園会館)の歴史
かつては東京の帝国ホテルと並び称され、「西の迎賓館」「西の帝国ホテル」と呼ばれる高級社交場だった甲子園ホテルの歴史を簡単に説明します。
設計を手がけたのはフランク・ロイド・ライトの愛弟子、遠藤新。
帝国ホテルの支配人から甲子園ホテルの支配人となった林愛作が、甲子園ホテルを全面プロデュース。
二人の構想が結実し、日本の伝統を生かしたリゾートホテルは昭和5(1930)年に竣工しました。
世界のVIPを迎えた日本を代表するホテルでしたが、1944年に海軍病院として徴用されたため、わずか14年でホテルとしての歴史に幕を閉じました。
(ちなみに火垂るの墓で清太の母が亡くなった海軍病院はここです)
終戦後は持ち主が次々と変わり、1965年に武庫川学院が取得。
長い年月をかけ復元し、2009年に国の登録有形文化財になりました。
甲子園ホテルの歴史については武庫川学院創立70周年記念に発行された「甲子園ホテル物語」が詳しいのでご一読ください。
まんぷくの撮影で使われているのは玄関前広場、屋上、1階ベランダ、庭園、西ホールなど。
撮影は博物館明治村に移築された帝国ホテル中央玄関でも行われています。
まんぷく20話。福子と萬平の結婚式の記念写真シーンも
まんぷく20話、結婚式の記念写真のシーンは南ファザード前で撮影されました。
甲子園ホテルの特徴のあるバルコニーはロケによく使われていて、最近では映画「日本のいちばん長い日」(2015年版)に登場しました。
まんぷく・大阪東洋ホテル(甲子園ホテル)内部をご案内
ロビーの窓は全面ガラス張りで庭園が臨めます。
渡り廊下の小階段にはなぜか噴水が設置されています。
打出の小槌モチーフがいろんな箇所で確認できました。
照明の多くは戦時中の金属供出で失われたため、当時の図面を基に復元されています。
まんぷく5話の商工会のシーンが撮影された西ホール
市松格子の光天井や欄間など和の装飾でまとめられた西ホールでは、大阪商工会の定例会のシーン(5話)が撮影されました。
福子と萬平が再会を果たした重要な場面でしたね。
ロフトのような部分はオーケストラボックスです。
金色のカブトガニのような装飾は水滴をあらわしています。
ドラマでも映っていました。
バーとして使われていた小部屋の床は泰山タイル
モデルとなった安藤仁子が実際に働いていたのは京都の都ホテル
ちなみに福子のモデルとなった安藤仁子(まさこ)さんが、実際に電話交換手の仕事をしていたのは、京都市東山区にある「都ホテル」(現ウェスティン都ホテル京都)です。
女学校に通いながら電話交換手の資格を取ったこと、英語が得意だったことが功を奏し、都ホテルに就職することができました。
働きぶりが認められ、フロント係に抜擢した頃に萬平(安藤百福)と出会い結婚しました。
武庫川女子大学 甲子園会館を見学するには
甲子園会館の公式サイトで見学の申し込みを受け付けているのでご確認ください。
甲子園会館は、武庫川女子大学のキャンパスのひとつである上甲子園キャンパスにあります。
現在、大学の授業、オープンカレッジ<生涯学習>などの授業が行われていますので、関係エリアへの立ち入りはできません。
見学については、庭園・建物ともに手続きが必要となりますので見学ご希望の方は、必ず事前に相談及び電話予約をお願いします。
なお、見学日につきましては、<見学カレンダー>をご覧ください。
見学ツアーは1時間半たっぷりと設けられています。
ガイドの方が甲子園ホテルの歴史、建物の見どころ、特徴などを細やかに説明してくださったので、予備知識がなくても楽しめますよ。
武庫川女子大学 甲子園会館(旧甲子園ホテル)施設情報
【最寄駅】JR甲子園口駅より徒歩約10分
【住所】 兵庫県西宮市戸崎町1-13
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