こんにちは、建築も好きなコトリス(@Kotori_fresh)です。
2019年、京都市下京区の遊廓跡「五条楽園」にある元遊郭のたてものを使った旅館「宿や平岩」に宿泊しました。
当記事では五条楽園の街並みや、「宿や平岩」の館内を紹介しています。
2019年現在の五条楽園(七条新地)
京阪清水五条駅から徒歩5分ほどの「五条楽園」はかつて、京都最大の色街「七条新地」だったエリア。
木造建築がひっそりと軒を連ねています。
京都の色街といえば「島原」が有名ですが、規模(遊女の数)においては「五条楽園」(七条新地)が最大。
また、新選組の隊士が通う高級花街だった島原と違い五条楽園(七条新地)は一般庶民を相手にした花街でした。
旅館のような建物は五条楽園最大のお茶屋だった「本家三友」。
今回宿泊する宿や平岩と同じ棟梁が建てたそうです。
芸妓たちが歌や舞を披露する舞台だった五条会館。
五条楽園の東側は清水寺などの名所が集まったエリアで、北側は四条や祇園などの繁華街があるため、観光客が宿泊するには便利な場所。
そのため、近年かつてのお茶屋はゲストハウスやおしゃれなショップなどに生まれ変わっています。
高瀬川沿いにある銭湯、「サウナの梅湯」。
昔ながらのお茶屋建築のほか、カフェー調の建物も残されています。
下調べをしたわけではないのに、ぶらぶらと歩いただけでそれっぽい建物が多く見つかりました。
宿泊できる元遊郭の旅館「宿や平岩」の内部をご案内
こちらがかつての遊郭「平岩楼」だった「宿や平岩」。
昭和33年開業。
外観は遊郭として営業していた当時の姿を留めていますが、2016年に内装を改装しているため内部は普通の旅館です。
5月16日が私の誕生日。
公式サイトから宿泊の予約をしたのは約1週間前のこと。
外国人観光客に人気の宿だと知っていたので直前すぎて取れるのかなと思っていたんですが、一人だったからかあっさりと部屋を確保してもらえました。
夕方にチェックインすると迎えてくれたのは大学生くらいに見える3代目当主。
1泊3000円だから接客には期待してなかったんですが、普通のホテルよりよっぽど丁寧に施設の説明をしてくださいました。
なんの変哲もない1階廊下。
2階への階段。
今となっては貴重な模様の入ったガラス。
2階廊下の先にある丸窓は往時の意匠です。
遊廓は門外漢な私。
普通の旅館にしか見えないので、予備知識がなければ遊郭だと気づかなかったかもしれません。
シャワー室や洗面台は他の宿泊者の方と共用ですが、綺麗に保たれていました。
宿や平岩の一人部屋“清水”に宿泊
部屋名はそれぞれ京都の地名になっています。
私が通されたのは4.5畳の“清水”
お茶セットが用意されているなど、お値段以上のおもてなし。
窓からは隣にある「五条モール」が一望。
五条モールもかつてのお茶屋ですが、今は個性的な店舗が入る複合施設として使われています。
「宿や平岩」は現在レンタルオフィスとして使われています
2021年8月現在、「宿や平岩」は旅館としての役割を終え、レンタルオフィスとして機能しています。
京都市内で元遊郭を使った旅館に宿泊したい方は、下記の「UNKNOWN KYOTO」(アンノウン・キョウト)か「橋本の香」をご検討ください。
元遊郭をリノベした複合施設「UNKNOWN KYOTO」(アンノウン・キョウト)
2020年2月、五条楽園に「ゲストハウス」「飲食店」「コワーキングスペース」が合体した複合施設、「UNKNOWN KYOTO」(アンノウン・キョウト)がオープンしました。
現代風にリノベーションされていますが、遊郭だった時代の名残りも随所に残っていますよ。