こんにちは、喫茶店愛好家のコトリス(@Kotori_fresh)です。
「思えば遠くへ来たもんだ」。
明智駅を降りたときに、中原中也の詩の一節がふいに頭に浮かびました。
一軒の喫茶店に行くため遠出も辞さない私ですが、本日は今までで一番行きにくかった岐阜県恵那市の辺境喫茶「アミー」をご紹介します。
岐阜県恵那市・日本大正村の街並み
シューカドーの閉業をきっかけに、計画した岐阜県内の喫茶店巡り。
名古屋は何度も足を運んだことがあるので、名古屋市内の喫茶店はシューカドーだけにして、行きにくい岐阜県中南部(中濃)や南東部(東濃)の喫茶店を目指すことにしました。
もうひとつがJR中央本線の恵那駅から運行するローカル列車・明知鉄道に乗って、ようやくたどり着く日本大正村の「アミー」です。
日本大正村は、明治村のようにお金を払って入る施設ではなく、街全体がテーマパーク。
1時間に1本しか電車がないので長居はできませんでしたが、アミーまでの道すがら時が止まったような街並みを見ることができました。
いにしえのカフェ・喫茶アミーの周辺をご案内
民家のようなこちらが目当ての喫茶アミーの表玄関です。
地下へと誘う階段の先には妖艶な赤い扉。
スナック成分強めなので、一見さんは躊躇するでしょう。
おすすめ散策コースにもなっているうかれ横町沿いには、アミーの裏口があります。
(元はうかれ横町が本通りで、こちらが表玄関でした)
ステンドグラスでできた看板がありますが、こちら側も入りにくい雰囲気……。
10時前に到着したらアミーの表玄関が閉まっていたので、裏口からアミーに入店しました。
大正10年創業。元旅館の地下にある喫茶アミーに入店
入店して目にした光景。
能町みね子さんの「きまぐれミルクセーキ」でアミーが紹介されていたから、すんなり入店しましたが、何の情報もなくこの光景を見たら「私が入ったらいけない店」だと思ってそのまま出て行ったかも……。
アミーを営むのは東濃弁のママ。
名物だというハヤシライス(700円)をいただきながら、カウンターでママとゆっくり話しました。
隣の笹乃屋旅館は明治40年から続く旅館でママも手伝っていたものの、旅館を切り盛りしていたお姉さんが高齢のため近年廃業したそう。
アミーは大正10年に喫茶兼スナックとして創業。
秘密めいた内装のデザインはママのお父様の好みで、地下へ続く階段上部に飾られたエジプト風の絵画もお父様が描いたものだとか。
マッチはもうありませんが、オリジナルのライターを3つもプレゼントしてくれました。
ママは出歩くのは嫌いなのでほぼ年中無休。
能町さんが「レジェンド級」と言うだけのことはあると頷いた、心に残る喫茶店でした。
▲アミーが紹介された本。コーヒーが苦手な人でも入れる喫茶店が掲載されています。
喫茶&スナック アミー ・店舗情報
【最寄駅】明知鉄道・明智駅より徒歩10分
【住所】岐阜県恵那市明智町1270-2(笹乃家旅館地下1F)
【営業時間】10時~16時、18時〜23時 ※昼間は喫茶店で、夜はバーになります。
【定休日】ほぼ年中無休
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