旅先で出会った強烈な余韻を残す喫茶店として、最初に思い浮かぶのが広島市中区の「中村屋」。創業76年(2022年10月現在)の老舗喫茶店です。
広島県内の方はもちろん、県外の方にもぜひ教会のような厳かな空間を体感していただきたい。
当記事では写真をたっぷり交えて「中村屋」をご紹介しています。
路面電車・土橋停留所前。意外性に驚いた「中村屋」
2015年5月。
自分への誕生日プレゼントに瀬戸内旅行を計画し、広島と愛媛の喫茶店を巡りました。
広島市内を走る路面電車に乗り、車窓から街並みを眺めること約22分。
「土橋停留所」の目の前にあるのが、「COFFEE 中村屋」。
外観は素っ気ない印象なんですが、「外観から内装が想像つかないで賞」を差し上げたい意外性のある空間が待ち構えていました。
レトロな店内は老舗の風格。教会のようなおごそかな空間
入ってすぐの客席はこんな感じなんですが……
中二階に現れたのは、高く吹き抜けた空間。
村野藤吾設計のチャペルかと思うほどモダンでおごそかな雰囲気です。
うっかり教会に入ってしまったのかと勘違いして、十字架を探しました。
アーチのついた柱や窓、キッチン上部の曲線が優美な雰囲気を醸し出しています。
細部の美しさから目が離せません。
“レトロ喫茶”という枠に収めるのはもったいない。
近代建築が好きな方にもぜひ訪れてほしい喫茶店です。
アンティークの椅子や机、鏡に映るシャンデリアがなんとも言えない好い感じ。
夜にはシャンデリアにやわらかな灯りがともり、一層神聖な雰囲気に。
店内を流れるBGMは聖歌ではなく、ジャズ。
この雰囲気を生かして、ジャズやクラシックコンサートも開かれているそう。
包容力のある空間で聴く音楽は魂に語りかけてくるような音色でしょうね。
広島市中区「中村屋」の歴史
中村屋は原子爆弾が投下された翌年の1946(昭和21)年創業ですから、2019年現在で73年の歴史があります。
現在店に立つのは二代目店主ご夫妻で、創業者は奥様のご両親です。
1998年に火事に遭い存続が危ぶまれましたが、常連客の後押しもあり復活しました。
創業者の孫で二代目店主の息子は「ムジカノッサ」を主宰する選曲家で音楽ライターの中村智昭氏。
中村さんが店主をつとめる渋谷・道玄坂のBar Musicで中村屋のコーヒーがいただけます。
中村屋のモーニングは11時まで注文可能
11時まで頼めるコーヒーとトースト+フルーツ・ゆで卵がついたモーニング(430円)がありますよ。
自家焙煎コーヒーが売りで、いい味を出しているおじいちゃん世代が「いつもの」コーヒーを啜りながら世間話に花を咲かす様子が見られました。
店もお客さんも変わらない日常を繰り返していて、その中にひょいと私がお邪魔しているのが不思議でした。
中村屋のまとめ
私が訪問したことのある広島市内の喫茶店でぶっちぎりのNo. 1喫茶。
ぜひ足を踏み入れてくださいませ。
中村屋・店舗情報
【最寄駅】広島電鉄 土橋駅よりすぐ
【住所】広島市中区堺町1-5-15
【営業時間】7時~20時(祝日:9時〜18時)
【定休日】日
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