茨城旅の最中、怫蘭西館へは2日続けて訪問した。
1日目のメインは山之内遼さんも訪問したことがある日立市の純喫茶ウィーンだった。
常陸多賀駅が最寄り。創業40年超の怫蘭西館へ
怫蘭西館の外観。ボーリング場の看板とセットなのが気になるが、聞くのを忘れた
ウィーンで罪悪感を覚える出来事があり、怫蘭西館に来たときも尾を引いていた。
茨城弁で常連さんとの会話を弾ませるマスターは話しかけやすい雰囲気だったが、アルバイトの女性がいたこともあり声をかける勇気を持てなかった。店の端でメロンスカッシュを飲みながら、「そういえば茨城はメロンの産地だったな」なんて他愛のないことを考えながらショックを和らげようとしていた。
真っ赤な壁画がインパクト大。ムーラン・ルージュのイメージだろうか
壁に貼られた4枚の壁画はそれぞれポーズが違う
騎士を閉じ込めた不思議な装飾品。はじめて見た
2日目のメインは向島から日立に移転したカド（記事は後日書く予定）。
カドも怫蘭西館も近隣にあるが、カドの定休日の関係で日を分けて来ることになった。
間を空けたことで頭を冷やせたのが良かったのかもしれない。
大阪に帰るまでに時間があったので、怫蘭西館にもう一度行ってみることにした。
この機会を逃すと向こう10年は茨城に来れなそうだし……。
マスターの家で代々受け継がれてきたアンティークの調度品を店内に飾っているそうだ
1日目と同じ15時台に怫蘭西館に到着。
昨日も来たことをマスターは覚えてくれていて、すんなり話せた。
「どちらから来られたんですか」と尋ねられ、「大阪です」と答えたら「大阪から来たのは3人目」と驚かれた。茨城弁の話、茨城の喫茶店事情など私が疑問に感じていたことをすべて教えてくれた。固くなっていた心がマスターのユーモラスな話術でほぐれていく。
絶品のコンビーフサンド
ごちそうになったコーヒー
「全国の喫茶店を10年かけて巡っていて、茨城が最後」と話したら、コーヒーをごちそうしてくれた上に、ペットボトルに入れたコーヒーをお土産に持たせてくれた。
「木村コーヒー店（現キーコーヒー）の保存缶がレアだから、これも写真を撮りな」とマスターに勧められキャニスターの写真も撮った。しばらくはキーコーヒーの看板を見るたびに怫蘭西館のことを思い出しそうだ。
旅の終わりにふさわしい喫茶店だった。
怫蘭西館・店舗情報
【最寄駅】JR常磐線常陸多賀駅より徒歩5分
【住所】茨城県日立市千石町1丁目6-10
【営業時間】10時半～20時
【定休日】不定休
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