岩手旅行のきっかけになったのは、2010年に盛岡のミニコミ誌「てくり」が発行した「盛岡の喫茶店」というブックレット。
新しもの好きのハイカラ好き。でもけっこう、保守で慎重。
盛岡人気質とでもいうべきか、まさに喫茶店にはそれが現れている。引用:盛岡の喫茶店 冒頭
美しい写真とともに簡潔に綴られるそれぞれの喫茶店の物語。
その中で私が最も惹かれたのが、盛岡の中心を流れる中津川の岸辺に佇む「ふかくさ」という喫茶店でした。
今回は蔦が絡まる喫茶店「ふかくさ」と盛岡で一番歴史の古い喫茶店「ママ」をご案内します。
中津川の岸辺に佇む蔦が絡まる喫茶店・ふかくさ
盛岡市内を流れる中津川。
橋の上から、蔦に覆われた小さな森のような建物が見えました。
近寄ってみると…冬場なので緑に勢いはありませんが、まごう事なき長年の憧れ「ふかくさ」です。
建物を抱きかかえるように生えているのは、宮沢賢治が愛したギンドロの木。
扉を開けると、二代目店主のご夫婦が迎えてくれました。
「盛岡の喫茶店」に取り上げられていた初代店主のママさんはすでに逝去。
ママが亡くなる少し前から息子さんご夫婦にバトンタッチし、新たな歴史を重ねているそう。
一番人気だという窓際の席から川の流れを見ながら、旅の計画を練ります。
ふかくさ・店舗情報
【最寄駅】盛岡都心循環バス『でんでんむし』盛岡バスセンター(ななっく前)下車徒歩5分
【住所】岩手県盛岡市紺屋町1-2
【営業時間】12時~15時、17時〜23時、日曜:12時〜17時
【定休日】不定休
昭和7年創業。盛岡最初の喫茶店「ママ」
ふかくさを後にして向かったのは、盛岡で最も古い歴史を持つ喫茶店「ママ」。
創業はなんと昭和7(1932)年。店名の通り“ママ”が切り盛りする喫茶店で、現在のママは三代目です。
スモールサイズの店内は常連さんでにぎわっていました。
迎えてくれたのはお若い女性。
三代目ママの娘さんかな?
いずれは四代目ママになるんでしょうか。
喫茶ママにはなんとインスタアカウントがあり、情報発信をされています。
“新しもの好きのハイカラ好き”という盛岡人気質がそんなところからも伺えます。
常連さんとママとの会話をBGMに読んでいたのは、喫茶ママの歴史が詰まった60周年記念誌。
「モダンな店名が良かったから“ママ”と名付けたこと」「初代ママは広島の人だったこと」「戦時中は敵性語が使用できなかったため店名が“街”になったこと」など貴重な情報が山のように掲載されています。
いろんな方の思い出が詰まっている冊子を慈しむように読みふけっていました。
喫茶ママ・店舗情報
【最寄駅】盛岡都心循環バス『でんでんむし』上の橋下車徒歩1分
【住所】岩手県盛岡市本町通1丁目8-10
【営業時間】11時~20時
【定休日】不定休
仙台の情報誌ですが、岩手・山形・福島・栃木の喫茶店も紹介されています。
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