2020年3月にはじめて訪れた岩手県旅行の思い出を振り返っています。
最初に向かったのは岩手県内陸南部の奥州(おうしゅう)市にある水沢駅でした。
当記事では水沢の喫茶店2軒と、大本命の喫茶ソワレを写真を交えてご紹介しています。
奥州市水沢・ライオンベーカリーとパリー洋菓子店へ
2日目に宿泊予定の盛岡市、今回は見送った一関市の次に人口が多い奥州市。
喫茶店や洋菓子店の密度も高いので、どこかに振られてしまってもどこかには入れるだろうという算段です。
10時半に水沢駅に到着したものの、水沢ではモーニングを食べる習慣がないのかことごとく喫茶店が開いていない……
仕方ないのでイートインできる洋菓子店をハシゴして、プリンとケーキでお腹を満たしました。
創業40年。水沢駅徒歩15分の喫茶ソワレで雪宿り
駅に戻る途中、雹と雨と強風に見舞われ持参した折りたたみ傘はぽっきりと折れました……。
ずぶ濡れでたどり着いたのがこちらの「喫茶ソワレ」。
そもそも水沢駅で降りた第一目的が喫茶ソワレ。
ソワレといえば真っ先に思い浮かべるのが京都河原町のソワレですが、岩手県にも同名の喫茶店があると知ってずっと訪問を夢見ていたのです。
迎えてくださったのは岸辺一徳似のマスター。
常連さんと思われるお二人のお客さんとカウンターで談笑していたので、小部屋になっている窓辺の席に腰を落ち着けました。
鯖江のマロン三世のような風景写真の前には、防府のエトワルを思い出すクリーム色のチェアが並び、それでも空間が広々。
小部屋の窓からは音もなく舞う雪。
この店には酸いも甘いも噛み分けた大人が似合うなぁとしみじみ……。
東北訛りに耳を傾けながら「延々と会話を聞いていたい」とうっとりしていたら、常連さんは続け様に退店。
マスターお一人になったところで、「実は大阪から来まして……」と打ち明けたら予想以上に驚かれました。
関東方面から自家用車で来る人は何人もいたけど、関西から来たのははじめてだ……と。
気になったのは、カウンター部分の床が一段高くなっていること。
バーにあるような足の長いカウンターチェアが嫌いで、くつろぎやすいように底上げしたんだと教えてくださいました。
こういう地元民御用達の店は夜はバーになりがち、お酒も出しがち……という予想に反し、あくまで喫茶店でお酒は出さないとのこと(昔は出していたそうです)。
「お酒を出すと声が大きくなったり、雰囲気が変わっちゃうからさ」。
時折頰杖を突くようなポーズをしつつソワレのこと、水沢のことを語るマスター。強風と雪が収まるまで1時間半ほどをソワレで過ごしていました。
喫茶ソワレの店名の謎
「ソワレという店名はどこから名付けたのか」とマスターに聞くと「若い頃札幌の喫茶店“ソワレ”で喫茶修行をしていて、その店名をもらったんだ」と返答が。
なんとなく北に惹かれる、「北へ向かう」習性が私にはあるんですが、北に住む人もさらに北に向かうんだという変な驚きがありました。
「関西には行ったことがないので、京都に同名の喫茶店があることしか知らない」そう。
現在も札幌に「ソワレ」という喫茶店があるようですが、マスターが働いていたソワレとは同名異店。
どんな店だったか気になります。
奥州市水沢の喫茶カナリア🐤
他の喫茶店のマスターに「古いお店が好きなら行ってみたら」と勧められたけど、振られてしまった。
同じ通りにあるミニヨドコウ迎賓館っぽいエイヨー食堂も気になった。 pic.twitter.com/4QRTqxB2CE
— コトリス|喫茶のすたるじあ (@Kotori_fresh) March 22, 2020
ソワレは2024年3月31日に閉店しました。
ミレー・p・ヤマザキさん、記事を書いてくれてありがとうございます。
喫茶ソワレ・店舗情報(閉店)
【最寄駅】JR水沢駅より徒歩15分
【住所】岩手県奥州市水沢吉小路41-2
【営業時間】12時~20時
【定休日】日曜
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