過去には和歌山市内はもとより、白浜市、田辺市、海南市、御坊市、岩出市、紀の川市、橋本市などを訪れたことがありますが、今回はじめて降りたのは和歌山県中部にある有田市。
みかんが好物なのに、“ありた”ではなく“ありだ”と濁って読むことをはじめて知りました……。
醤油発祥の地・湯浅町があるのは有田郡。
ややこしく思えるんですが、有田には郡と市があるんですね。
今回は数年来の憧れだった和歌山県有田市の「純喫茶まるき」をご紹介します。
JR箕島駅徒歩1分。純喫茶まるきは創業70年
和歌山駅から白浜方面に向かう紀勢本線に乗って30分。
有田市の中心地である箕島駅から徒歩1分という便利な立地に、純喫茶まるきが店を構えています。


県道に面した入り口のある外観を見ると、小さい店に見えるのですが……

横から見るとこの通り。
Rのついた窓が並ぶビルと一体化しています。



裏口のタイル使いがお洒落。


中に入ると、外観から受ける印象と異なる奥まで広々した空間が。
路地に面した窓からは光がたっぷりと店内に降り注ぎ、所々に配置された観葉植物が気持ちよさそうに日光浴をしています。
大阪から来たことをマスターに告げると、難波里奈さんの「クリームソーダ純喫茶めぐり」に掲載されたことで、遠方から来る人が増えたと教えてくれました。
私が純喫茶まるきを知ったのは、和歌山在住の方が書いているブログ、70’s styleがきっかけ。
「純喫茶月山は高野山のふもと。霊験あらたかなモダン喫茶【和歌山】」という記事で書いたことがあるんですが、私が遠方の喫茶店めぐりの参考にするのはその町に住んでいる方のブログ。
阪急のバーチャル駅長しかり、地元の人が発信している情報が好きなんです。
創業1953(昭和28)年という和歌山屈指の老舗である純喫茶まるきはずっと憧れの喫茶店だったんですが、憧れを募らせすぎて想像上の“純喫茶まるき”の方がずっと素敵だったらどうしようという不安も。

店内に足を踏み入れた瞬間に、杞憂に終わりました。




鯉が泳ぐ池も、手すりにアクセントがあるゆるやかな階段も、軽く想像を超えてきました。



二階もかつては客席だったそうですが、現在は壁を取り付け奥様の押し花教室として使われています。

中二階の客席はシンプルモダン。
わき道にそれて純喫茶2のエムケイさんもまるきに来店
マスターの奥様に店内を案内してもらいながらまるきの歴史を伺っていたんですが、
驚いたのは奥様の口から「わき道にそれて純喫茶にも掲載された」という言葉が出たこと。
ブログ主のエムケイさんとお会いしたことがあると奥様に告げると、奥様も驚いていました。
エムケイさんとは村田商會の「喫茶店の椅子とテーブル」寄稿つながりです。
純喫茶まるきのモーニングとメニュー

10時過ぎに到着して頼んだのは600円のモーニングサービス。
和歌山はワンプレートにトースト、サラダ、目玉焼きが盛られているモーニングが多い印象がありますが、まるきもそのスタイル。
モーニングサービスと言いながら、なんと注文は終日可能という太っ腹さ。

定食類や軽食も充実しています。
純喫茶まるき・マッチ

蒸気機関車のイラストが描かれたオリジナルブックマッチがありますよ。
純喫茶まるき・まとめ
過去には従業員を何人も雇うほど盛況だった純喫茶まるきですが、現在はマスターと奥様二人体制でも暇だとおっしゃっていました。
2018年に台風24号の被害を受け、天井からは雨漏りがするようになったそう。
喫茶店愛好家の一人として、純喫茶まるきは遠方からわざわざ行く価値がある喫茶店として太鼓判を押しますので、興味を持った方はぜひ足をお運びくださいませ。
訪問時、「創業66年目って書いておいて」と念押しするように教えてくれたマスターがお茶目でした。
洋らんを愛するマスターのブログも必見。
純喫茶まるき・店舗情報(閉店)
【最寄駅】JR箕島駅より徒歩1分
【住所】和歌山県有田市箕島897-1
【営業時間】7時~18時
【定休日】土
東京、関西、名古屋にある喫茶店を紹介するムック本「すごい喫茶店・カフェ100」(11月25日発売)の関西編を私が監修しております。
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本をお供に喫茶店に足を運んでいただけたら嬉しいです。