こんにちは、喫茶店とモダンな建物が好きなコトリス(@Kotori_fresh)です。
今年のイケフェス大阪はお天気に恵まれて無事終了しました。
体調不良で日曜しか参加できなかったものの、大阪メトロ1日乗車券を使い倒して限られた1日で思う存分楽しむことができて良かった。今週中は余韻に浸れそうです。
私が巡ったのは、大阪ガスビル→ギャラリー再会→浪花組本社ビル→長瀬産業大阪本社ビル→青山ビル→日本基督教団 浪花教会→中央公会堂→堺筋倶楽部というコース。
その中から特に心に響いた元喫茶店の「ギャラリー再会」をご紹介します。
通天閣の足下に残る元喫茶店の洋館・ギャラリー再会
施工年:昭和28年
設計者:石井修
施工者:石井工務店
構造:木造2階
改修年:平成9年
平成19年国登録有形文化財
新世界の中でも異質な雰囲気をかもしだしている南欧風のたたずまい。
かつて新世界はモダンデザインの最先端の町。
この建物は、昭和28年に建築家・石井修氏の設計で純喫茶「再会」として建てられました。「再会」の美しさに惹かれ銀幕のスターたちもよく遊びに来ていたそうです。 そんな華やかな時代から時が流れ、その後も地域の人に大切にされ親しまれていましたが、喫茶閉店後ラジウム温泉の2代目社長にひきとられ、平成9年に改修を終え、「ギャラリー再会」としてよみがえりました。
ギャラリー再会内部のディテールに釘付け
多くの観光客が行き交う新世界。
野に咲く花のように通天閣の足元にひっそりと建つのが、「ギャラリー再会」です。
写真は1階部分。
凝った彫刻が施された柱と、カーブを描いて2階へと昇る階段が存在感を醸し出しています。
階段の優美な曲線とディテールに釘付けでした。
直角の木の椅子が喫茶店時代の名残をとどめています。
既視感があるのは、京都のフランソア喫茶室とソワレを合わせたようなクラシカルな空間だからでしょうか。
2階はカップル専用の喫茶スペースでお見合いの席としても使われていました。
どことなく教会のようにも見えるのは、天井が高いことと飾り窓があるから?
時代劇スターの片岡千恵蔵がかつての常連で、千恵蔵が贈った壁掛け時計が残されています。
今は月に1度のジャズライブでのみでしかこの空間を味わえないので、イケフェスで特別公開されるのを待ち望んでいました。
名古屋のシューカドーは83年も歴史を刻んでいたのに、ビル自体が取り壊されるので跡形もなくなってしまいます。
ギャラリー再会が残っているのはその価値がわかるオーナーの元に渡ったから。
イケフェスに参加するビルの側のメリットは、なにより具体的に「自らの存在価値」を感じられるところにあります。沢山の人が会いに来てくれる、話しかけてくれる、楽しんでくれる。そりゃビルも元気に長生きしたくなりますよ。#イケフェス大阪2018
— 生駒ビルヂング (@BLDG1930) 2018年10月30日
長生きさせるために、素敵なものは「ここが素敵だ」と積極的に口に出していきたいな。
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