山口旅行2日目のメインは「遊廓に泊まる」に掲載されている萩市の「旅館芳和荘(ほうわそう)」に泊まること。
女性一人で宿泊しましたが、ご主人が親切&築100年と思えないほど清潔感のある宿だったため快適に過ごせました。
港町として栄えてきた萩市の伝建地区「浜崎」
旅館芳和荘があるのは、萩の三角州の北東端に位置する萩城下の港町「浜崎」。
日本海に面することから、江戸時代は北前船の荷揚げ港や漁業の水揚げ港として栄えてきました。
大正時代に鉄道が開通して物流の流れが変わるまでは、萩で最もにぎやかな場所だったそう。
江戸時代の建物約40棟をはじめ古い町屋が多く残っていることから、全国で60番目の「重要伝統的構造物群保存地区」(伝建地区)に選定されています。
旧萩町遊郭にある築100年の旅館芳和荘(ほうわそう)
外観
最寄り駅はJR山陰本線東萩駅。
阿武川を渡り北西に10分ほど歩けば、「旅館芳和荘(ほうわそう)」に到着。旧萩町遊郭として栄えたエリアにありますが、往時の名残を感じられるのは芳和荘の存在のみ。
大正初期に建てられた木造寄棟二階建ての遊郭建築は貴重であるため、「萩市景観重要建造物」に指定されています。
玄関
半纏姿の番頭さんスタイルのご主人(クレイジーキャッツの犬塚弘似)が迎えてくれました。
現在おひとりで芳和荘を切り盛りする三代目のご主人によると、妓楼だった建物を祖父が買い取り最初は下宿屋をはじめ、次に旅館へ転業。
「旅館芳和荘」としての歴史は半世紀ほどです。
一階
二階回廊
芳和荘に行った方のSNSでよく見るのが、二階にあるロの字型の回廊。
客室の扉を開けると、目の前に回廊と中庭が現れます。
私が宿泊したのは11月初旬でしたが、遮るものがないので朝方冷えました……。
中庭を囲む欄干にはひらがなが刻まれているので、お見逃しなく。
ち・ょ・う・し・ゅ・う・ら・う=「長州楼」。遊廓だった頃の隠れ屋号です。
陽が差すと回廊に欄干の影が伸びる姿を見られます。
ご主人がまめに手入れをされているので、築100年の建物と思えないほど廊下が綺麗です。
ちなみにご主人いわく「芳和荘の写真を撮るなら、夜の時間がおすすめ」だそう。
風呂上がりに浴衣姿で写真を撮ったら風邪を引きそう&歩くと廊下の音が鳴るので他の宿泊客に迷惑かと思い、遠慮したんですよね。
宿泊して夜の妖艶な芳和荘の写真を撮りたい方は、お風呂の前がいいかもしれません。
ちなみに幽霊は出ません。住み込みのご主人は幽霊には会ったことがないので会いたいと言っていました(笑)
客室
私にあてがわれたのは、二階の「上津江」という部屋。エアコンがあるので、朝晩も快適でした。
枕元に呼出ボタンらしき、謎のボタンがありました。
お風呂と洗面所
男女ひとつずつ用意されている、「武者風呂」。
入浴希望時間を聞いて、ご主人がちょうどいい湯加減で沸かしてくれました。いい湯だった。
洗面所とトイレは共同なので、朝の時間内など混み合うかもしれません。トイレは懐かしのボットン便所でした。
まとめ
不便だと感じたのは冷蔵庫がなかったことと、wi-fiがないことくらい。wi-fiがない=デジタルデットクスには最適な宿です。
その点だけ許容できれば、旅館に慣れていない方や若い女性ひとりでも快適に過ごせるはず。
ちなみに宿泊しなくても見学は受け付けてもらえます。萩の世界遺産を巡る際には見学コースに入れてくださいね。
旅館芳和荘・施設情報
【最寄駅】JR山陰本線東萩駅より徒歩約10分
【住所】山口県萩市大字大字東浜崎町2区の1
【防府・エトワル】モーニングは11時まで。山口県を代表する純喫茶
【下関・喫茶パーラー】創業68年で幕を閉じた「こいぬ」が再オープン